ある日、母から突然こんな連絡がありました。
「悪いけど、これあんた名義の口座やから、旧姓から名義変更しといてほしいねん。あと定期預金を解約して、この口座に移してほしい」
手渡されたのは、地元の信用金庫の通帳と定期預金の証書。どちらも私名義ですが、完全に私はノータッチだった口座です。
事情はこう。
定期預金は金利もほとんどつかないし、このまま放っておくのももったいないので、別の形で持ち直したい、と母。
というわけで、娘を抱っこ紐に入れて、信用金庫へ向かうことになりました。
子ども名義の口座って、実際どうなの?
ところで、今回の一件をきっかけに、「子ども名義の口座って作るべき?」と改めて考えました。
児童手当、出産祝い、お年玉…子ども関連のお金を入れておく場所として、確かに子ども名義の口座を作りたくなるタイミングはあります。
私自身も娘用の口座を作りました(まだノータッチですが…)。
けれど、いつ・どうやって管理を引き継ぐか?はしっかり考えておかないと、将来なかなか面倒なことになるかもしれない…と、今回身をもって実感しました。
手続きでつまずいたポイント
1. 本人確認ができない
私はまず、旧姓から現在の姓への名義変更をしようとしました。
必要書類は以下の通り:
- 氏名変更が分かる身分証 → 免許証でOK
- 現住所の確認ができるもの → 通常は住民票や健康保険証など
氏名の変更については免許証があったので問題なし。でも、住民票がない=住所確認ができない=本人確認が不十分ということで、名義変更はできませんでした。
(※ちなみに、名義変更をしなくても定期預金の解約は可能だそうです)
2. 印鑑が違う/手元にない
さらに問題だったのが印鑑。
母から預かった印鑑は、どうやら登録印とは違ったようです。
私が登録していたのは、海外赴任時に持って行った方だったかもしれません。
この印鑑がないと、解約も不可。
「あとでまた来ます」が簡単にできない距離に住んでいると、本当に厄介です。
結婚後に口座を引き継ぐのは、意外と面倒
成人後、特に結婚後に口座を渡されると、手続きが意外と煩雑。
名義変更の必要があり、さらに旧姓→新姓を証明する書類、印鑑、住所確認書類なども必要です。

「文句言うな」って言われそうだけど…結婚してから名義変更しなきゃいけない場所、多すぎるんですよね。
地銀・信金の口座は遠方に住むと扱いにくい
地元の地銀や信用金庫で作った口座は、実家を離れて遠方・ましてや海外に住むようになると、使い勝手が悪くなります。
近くにATMがなかったり、窓口に行けなかったり…。
(最近はネットバンキング対応の信金もあるとはいえ、限界あり)
子ども名義の口座を作るなら、考えておきたいこと
今回のように「自分名義なのに動かせない」状況を経験し、子どもに口座を作るなら以下の点に気をつけたいと思いました。
✅ 子ども名義口座のポイント
- ネットバンクかメガバンク(もしくはゆうちょ)で作る→ 就職後の給与振込などで重複しても問題ないよう、できればネットバンクが便利
- 親が預かって管理する期間を明確にしておく→ 「●歳になったら渡す」と決めておく
- お祝い金やお年玉など、贈与税対象にならない範囲で管理→ 年間110万円以下が非課税(継続性や管理状況にも注意)
- 使う目的を決めておく→ 教育費?将来の留学費用?生活資金?目的があると管理もブレにくい
- 遠方・海外在住を想定して銀行を選ぶ→ いざという時に、印鑑や書類で困らない体制に
まとめ|「とりあえず口座」は将来の自分が苦労するかも
実家を離れ、海外に住み、久々に預金口座をめぐる手続きに直面して思ったこと。
「とりあえず名義だけ作っとこう」
「親が管理しておけばいいか」
…というのは、未来の自分や子どもが困る可能性もある、ということ。
口座は“お金をしまう箱”ではなく、生活に密接に関わるツール。
だからこそ、ライフステージに応じて定期的に見直す必要があるのかもしれません
コメント